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2025.06.10

アシストスーツ推進議員連盟発足 – 参加議員が試着体験 人手不足や高齢化による課題を“スーツ”で解決

株式会社加地は、2025 年 5 月 29 日(木)に開催された「アシストスーツ推進議員連盟」 (会長:新藤義孝議員)の設立総会へ出席しました。総会では、当社を含む 9 社のアシス トスーツ関連企業が加盟する一般社団法人アシストスーツ協会(東京都中央区、代表理事: 飯田 成晃)が、アシストスーツの試着体験会とプレゼンテーションを行いました。

■設立総会 参加議員(敬称略)

新藤義孝、宮﨑政久、小野寺五典、上月良祐、渡海紀三朗、金子恭之、後藤正直、宮下一 郎、中野英幸

■アシストスーツ業界の現状

アシストスーツは、重量物の運搬や長時間の立ち仕事などで加わる身体的負荷の軽減を目 的とした装置です。モーターや空気圧などを使って身体をサポートし、腰や膝、腕などの 負担を軽減します。サポータータイプのライトなモデルから、身体に加える圧の強いヘビ ーなモデルまで多様な機種が存在します。 アシストスーツは介護・建設・農業・物流などの身体的負荷が大きい産業で使用されてい るほか、雪かき・除雪(道路・公共施設)、地域インフラの清掃・補修作業などの地域社会 でも活用可能です。身体的負荷の大きい現場は人手不足が課題であり、腰痛などの身体的 トラブルによる欠勤や離職への対策が重要です。現場の女性比率の増加や高齢化もあり、 職場環境への意識の高まりがアシストスーツへのニーズを押し上げています。 こうした需要の高さから、アシストスーツ市場は 2020 年時点で約 43 億円規模、2025 年に 111 億円規模に成長すると予測*1 されています。一方、ユーザーの心理的抵抗感や導入効果 の見えにくさ、認知度の低さ、導入コストなど普及には様々な課題があります。市場浸 透・社会的な普及には、業界を横断した取り組みが必要です。
*1 ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2021(富士経済)

■設立総会での発表内容

会の初めに、会長の新藤議員が協会設立の目的について説明されました。 「アシストスーツの役割は生産性の向上と、高齢者の活躍をアシストすること、この 2 つ だと考えております。少子高齢化・人口減少していく我が国の経済成長を目指す中で、ア シストスーツの役割は成長戦略としてとても重要です。しかし、アシストスーツ製品には 国としての統一的な基準がまだありません。また、アシストスーツは医療や福祉、介護、 農作業、土木作業といった様々な分野で使われますけれど、その分野別にふさわしいもの になっているのか。それから力の強い若い人と高齢者では、その人の筋肉に応じて使い方 も変えないといけない。アシストスーツ普及のために、そういった整備をしていきたいと 考えています」
その後、アシストスーツ協会に加盟する 6 社のアシストスーツを、参加議員に体験してい ただきました。皆様様々な製品を着用され、「全然違いますね」「すごく楽。これは面白い」 と効果を実感されました。

続いて厚生労働省、経済産業省、農林水産省、国土交通省から、それぞれの分野における アシストスーツの活用状況と支援策について報告がありました。厚労省からは、アシスト スーツが使用されている現場からの声として「腰痛による退職者がゼロになった」「職員の 負担が軽減された」という効果の実感のほか、「機械が使えないような狭い場所でも活用 できる」という使い勝手の良さを評価する声もありました。また、介護現場では、職員が アシストスーツをつけたことで移乗介助をしやすくなり、被介護者の安心にもつながって いました。一方で、着脱のしにくさが課題として報告されました。厚労省は補正予算を計 上し、各事業者への補助金による支援や、各都道府県での相談窓口の設置などを行ってい ます。 その後、アシストスーツ協会よりアシストスーツ業界の現状と課題について説明しました。 議員連盟に対し、安全基準の法整備、監督官庁の設定、産官学での技術開発、政務による 応援体制づくりといった政府主導での普及後押しをお願いしました。最後に「DX・ロボッ ト自動化を進めても、一定の人的労働は残り、人的作業の効率化が必要です。地域の生 活・暮らしの維持保全というサステナブルな地域レジリエンスを確保し、人ありきの安 心・安全・快適な社会づくりを目指していきたい」と議員連盟へ要望を伝えました。

プレゼンテーション終了後は、議員からの質問にアシストスーツ協会や各省庁が答えまし た。着脱のしにくさの解消、安全基準の整備、導入現場への広報など様々な視点から活発 に議論が交わされました。